夜来の月

これまで巡った寺社や史跡のこと、好きな本や漫画のこと、時々大相撲

司馬遼太郎が愛した鴨川の源流・志明院

鴨川の源流

 

京都の東側を流れる鴨川を中心地から車でさかのぼること一時間弱。

本当にこんな山奥にお寺があるのだろうかと不安になってくるような山道をひたすら辿っていきます。

まさしく深山幽谷とはこのこと。人里離れた場所に建てられたお寺の雰囲気は、町中のそれとは全く異なります。

作家の司馬遼太郎がその随筆『石楠花怪話』(『司馬遼太郎が考えたこと(1)』内に所収)で語っているように、何かが出そうと言うか居そうな雰囲気を醸し出しまくりでした。

ジブリ映画『もののけ姫』のモデルの一つでもあるそうです。

実際に行ってみると、さもありなん、と思います。

幸いにも天気が良い早朝だったので門前こそ明るかったですが、御門を一歩くぐるとうっそうとした木々に囲まれて薄暗く、天気が悪いときに行こうものなら怖くて歩き回れなかったかもしれません。

前日降った雨で足下がぬかるんでいて、足下に充分注意を払いながら石段を登って山内を拝観させて頂きました。

虫が出るので、本当は長袖長ズボンが良いそうです。

くるぶし丈のズボンだった私はまんまと謎の生き物(虫かカエル?)に素肌が出ている部分に飛びつかれ、思わず悲鳴を上げました。

ぐるっと一回りすると40分前後。

観光客用に整備されているわけではないので全体的にかなり足場が悪く、登山靴とは言わないまでもスニーカーは必須です。

まかり間違ってもサンダルやヒールなどで行く場所ではありません。

落ち葉を踏みしめ踏みしめ上にのぼり、鴨川の源流、その最初の一滴がしみ出している岩屋を見学するのがこちらの最大の見どころ。

薄暗い洞窟の中に耳を澄ますと、水滴が落ちてくる音が聞こえてきます。

この一滴があの鴨川のように大きな川になっていくんだなあ、と思うと感慨ひとしおです。

 

御門前に咲く石楠花が満開になる頃は観光客が増えるのかもしれませんが、私がお邪魔したときには石楠花が散ったあとで、かつまた場所が場所だけに閑散としていて、それだけにこれ以上ないぐらい静かにゆっくりと拝観させて頂くことができました。

町中では到底味わえない空気の濃さ、鳥のさえずり、神や仏の存在を身近に感じられるような清冽な雰囲気を存分に味わいました。

 

参拝時の注意事項

 

こちらのお寺は他のお寺とはいささか異なり、手荷物の持ち込みおよび御門から先の写真撮影が禁止されています。

自家用車の場合は貴重品類は車においていくのがベストです。

拝観料をお支払いしたのち、お手製の参拝ルートを見せて頂きながら参拝時の注意や説明を受けます。

険しい山道を歩くので、この説明をよくよく聞いておくのが身のためです。

季節や天候によって参拝できない箇所がある場合があるようですので、そこはお寺の指示に従ってください。

 

こちらに伺う前にネットで情報を調べていた際、お寺の方の対応が残念だったという意見をちらほら見て、内心結構びくびくしながら伺ったのですが、案ずるより産むが易しと言いますか、こちらがきちんと礼を尽くせば怖い事なんてひとつもなく、たいへん丁寧に優しくご対応頂きました。

お寺の方の言うことを素直に聞いて、あくまでも「お邪魔させて頂いている」という立場を忘れずにいれば何の問題もありません。

 

 

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